2012年9月29日土曜日

「Apple Maps」について


ティム・クックCEOが正式に謝罪しましたね。「Apple Maps」について。

出す前に“その凄さ”が分からなかったのか?

いっくらなんでもそんなことはないでしょう。

つまり発売後の反応は? 当然、予測していた……はず。

で、様子を眺めつつ発売一週間後に公式謝罪、と。

ふむ。

まずAppleの大前提は、iPhone5の発売日は絶対にズラしたくないってことでしょう。

一週間で500万台近いモデルを一気に捌くって凄いプロジェクトですよね。

でもって現状のAppleはiPhoneが支えているのは間違いない。iPhone4の時みたいな“アンテナ騒ぎ”みたいなハードウェア面の欠陥みたいなのを絶対に避けねばならない。しかも今回からLTEという新たな通信規格を導入し、端末そのものもキャリアにあわせて3タイプも用意している。

同じ端末メーカーとはいっても、“Appleのいるステージ”は他とはまったく違うとしていいでしょう。

ボクがティム・クックの立場だったら発売から一週間は怖くて眠れないかも……マジで。

ただし、“想定内なMaps騒ぎ”以外は、トラブルの話って出てきてませんよね。

ホッ。で、「ごめんなさ~い」、と・笑。

とにかくiPhone5、クリスマス商戦に向けて一足早い段階でドカンと投入しておきたかったんだと思います、はい。

Samsung「Galaxy S3」はもちろん、iPhone5とほぼ同時にデリバリーが始まった「Galaxy Note2」をはじめ、年末に向けて各種Android端末が登場してくるのは間違いないし、それらを制するタイミングでiPhone5を投入したかったはず。それも“品切れ”っぽい雰囲気を漂わせることなしに。

Appleが自社マップ導入を決意したのは「Googleが、Android用では提供されているナビ画面での“ターンバイターン方式での音声案内”の提供を渋ったから」と一部報道されています。

金額の問題ではなく、Googleが「嫌だ」と言ったのではないかと勝手に想像してますが・笑。

ここでAppleがキレて、じゃあ「いらねーよ」と・笑。

もちろん“Appleの生態系”をより強固なものとするのに、特にこれからは一層のこと、「オリジナルの地図情報」は超大切なものとなるはずです。

Apple同様、Googleと仲が悪い「Facebook」の地図をご覧いただきたい。「bing」提供のものを使っているため、AppleMaps同様、使い物になりません。「地図を何とかしたい」という願いはAppleだけの問題ではなくなっている今日この頃、という次第です。

Appleとしては、すぐにはキャッチアップできないことは分かっちゃ~いるけど、「決断する時が来た」と決断したのではないでしょうか……。

特にこれからは“リアルワールド店舗に於けるキャッシュレス決済”が本格化すると予想されます。もちろんスマホ経由によるもの。現状、位置情報サービスの根幹をGoogleに寡占の状態で握られているのは本格的にヤバいという判断もあると思われます。

またそこまでいかないにしろ、Appleが「ターンバイターン方式の音声案内ナビ」部分にこだわったのは、いわゆるひとつの「アメリカがクルマ社会」というのが絶大だと予想されます。

若者のクルマ離れが進んでいる日本の都市部では想像もできないほどのクルマ社会。

当たり前ですけど……。

「クルマを使ってA地点からB地点まで移動する」という目的において、「交差点で矢印出るか、音声で案内してくれるか」は、「性能の明確な差」として、彼の国の人たちは日々実感させられてしまう、というわけなんですね。

都市部の精細な情報よりも、まずは「クルマでの移動を大前提としたナビ機能」のほうが魅力的というわけです。

ただし、日本のIT系メディアでは「クルマの匂い」があんまししない。もしかして電車ばっかり、この人たち乗っているのではないか?……的な。ゆえに、そのあたりの情報が、あんましリアルに伝わってこないみたいな雰囲気もあります。

この部分に対するセンサーとしては、“かの、dankogai”が鋭かったと思いますが(← au版iPhone5とdocomo版GalaxyS3を高速上で比較してた)、これも「助手席では云々」みたいなオチでして、「あー、やっぱり、あなたが運転していたわけぢゃなかったのぇ」みたいな……・笑。

音声案内のターンバイターンにAppleがこだわる理由は、あくまでも「運転手がどう感じるか」なのですよね……。年がら年中、モニタを“ガン見”はできないんですよ、ドライバーは……。

今回の地図の件に関しては、やっぱりAppleの中枢はほとんどがカルフォルニアの田舎で日々過ごしていて、毎日当たり前のようにクルマで移動している……みたいなローカルなニーズを凄~く感じさせられた次第です。

また精度の高い地図情報の利用という部分では、各種SNSへのAPI開放みたいなレベルだけではなく、Googleは既に「全自動走行車」を公道でさんざテストしていますよね。

Googleが見ている地平は“もともとも根本的に違う”のだな……を想起しちゃう瞬間です。

そもそも、iPhoneにGPSを搭載した瞬間に、Appleは「独自地図」に取り掛からねばいけなかったんですよ。

決断を先延ばしにしたのはJobsさんの置き土産で、大批判を覚悟で「決断」したのはクック船長ってことでしょう。

やっぱり超優秀なんぢゃないかな、ティム・クックCEOって。

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